A Week in Pictures Asia

An Indian worker carries flowers to plant past a billboard featuring U.S. President Donald Trump and Indian Prime Minister Narendra Modi in Agra, India, Sunday, Feb. 23, 2020, a day before Trump travels to Agra to visit the 17th century monument to love, the Taj Mahal. (AP Photo/Rajesh Kumar Singh)

 

 

トランプ米大統領が2月24、25の両日、初めてインドを訪問し、モディ首相との会談で、日米が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進で一致した。

 

両者は安全保障分野での協力拡充のほか、日本を加えた3カ国、さらには豪州を加えた4カ国の連携強化も確認した。

 

この構想は南北米大陸の西岸からアジアを経てアフリカ東岸に至る広大な地域で、国際ルールに基づいて平和と安定を守り経済的繁栄を目指すものだ。

 

日米印豪は構想を主導すべき4カ国であり、首脳らの頻繁な相互交流は欠かせない。大統領選を控えたトランプ氏が足を運んだ意義はそこにある。

 

トランプ氏は「海洋安全保障やサイバー、対テロなどの分野で4カ国協力を促進する」と述べた。米印が民主主義の伝統などで結ばれていることにも言及した。

 

この地域で中国は、南シナ海で不法に軍事施設を建設する一方、インド洋周辺諸国などで港湾建設を後押しして過剰な債務を負わせ、運営権を手にして軍事拠点化を進めている。

 

力ずくの海洋進出に歯止めをかけ、航行の自由を守るには、日米印豪がさまざまに連携し、中国を牽制(けんせい)する必要がある。

 

日本とインドは昨年11月、初の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を行い、構想推進を共同声明でうたった。日本は米国、豪州とも2プラス2を開催している。

 

日印、日豪は、首脳の隔年の相互訪問を原則としている。日米印の枠組みでは、一昨年、昨年と首脳会談を開き、昨年の会談では構想について意見交換した。

 

重要なのは、4カ国のみならず、4カ国が柱となって東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国やインド洋周辺諸国に構想への参加を促していくことである。

 

南シナ海で中国の軍事的脅威と直接対峙(たいじ)しているのは、フィリピンやベトナムであり、カンボジアやインド洋周辺諸国には中国資本が浸透している。

 

気がかりなのは、トランプ米政権にこれらの国々への関心が薄いことだ。米国の同盟国フィリピンが「訪問米軍地位協定」の破棄を表明したのも、そうした姿勢と無縁ではあるまい。

 

構想の主導で日米印豪各国にはそれぞれの役割がある。米比を仲介し、協定破棄を撤回へと導くのは、日本の役割だろう。

 

 

2020年3月2日付産経新聞【主張】を転載しています

 

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